懲りすぎ。
そう、スパイク・ジョーンズのPVのお話です。
今や映画でもアカデミー賞で五部門にノミネートされた「her/世界でひとつの彼女」などで名高いスパイクですが、その原点は音楽PVにあるとも言えるのではないでしょうか。(本当の原点はキャリア初期のスケボーを撮影していたときの動画だと思いますが)
音楽PVでもその才能を遺憾なく発揮しておりますのでぜひご覧いただききたいのです。
コラボするメンツも、WEEZER、ビョーク、Fatboy Slim、Sonic Youth、ビースティー・ボーイズ、DAFT PUNKなどなど、とてつもなくメジャー級。
この記事では、そんなスパイク・ジョーンズのPVの中でも代表的なものをご紹介しますので、ぜひお楽しみください!
※特に、最高傑作との呼び声も高いThe Pharcyde(ファーサイド)の「Drop」はぜひご覧になっていただきたい!(メイキングもありますし。)
個人的には、ミュージカルチックなBjorkの「It’s oh so quiet」、おふざけ全開のケミカル・ブラザーズの「Elektrobank」、ほっこり、不思議な感動があるWEEZERの「Island In The Sun」が好きですかね。
それでは早速どうぞ。
The Pharcyde – Drop
これ。観てください。
ヒップホップ好きなら知らない人はいないであろうファーサイド×スパイク・ジョーンズ。
「普通じゃん」
と思った方はよーくご覧頂きたい!
何か動きが不自然ではないですか?
これ、逆回し撮っているんです。
しかも一発撮り。
とんでもない発想です。
「嘘でしょ?」と思った方はこちら。メイキングがありますよ。
逆再生したときにおかしくないように、逆回しの歌詞も作って、それをファーサイドのメンバーに練習させています笑(しかも言語学者まで連れてきてる笑)
逆再生にした理由は、J・ディラによって作られたトラックもサンプリング元を逆再生したものを使っているから、とのこと。理由があれば納得なんですが、実際にそれを実現してしまうところが鬼才と呼ばれる所以かと。
そして、PVってアーティストにもこんなに苦労をさせるものでしたっけね。。笑
スパイク・ジョーンズ、すごい。
恐れ入ります。。
Weezer – Buddy Holly
このレトロなアメリカのテレビ的展開、好きです笑
アンセムで踊るダンスも最高でしょうね~
一見合わなそうなものをPVの中で音楽と一緒に混ぜ込んでしまう、というのもスパイク・ジョーンズの特徴かも、と思います。
Beastie Boys – Sabotage
この画面の切り替えの数の多さ笑
このスピード感がスパイク・ジョーンズなのでしょうね~
過剰なまでの演出を超える過剰さ笑、常にワクワクさせてくれます。
Dinosaur Jr – Feel The Pain
次々にとんでもないところに飛んで行くゴルフボール。。。本人自身はおしゃれっぽい雰囲気を纏いながら、笑いの要素も欠かさないのがすてきです。
ダイナソージュニアの曲も軽い音がいいですね~
そして、ラストのギターがかっこいいです。そしてラストカットも。
Björk – it’s oh so quiet
ビョークのこれ、好きなんです。
もはやミュージカルかのような演出。スタートから数秒で音楽PVであることを忘れてしまうかのような引きこまれ方をします。
スパイク・ジョーンズのPVでは、アーティスト本人が出ているのは珍しいのかな。
ラストの非現実感も最高。
Daft Punk – Da Funk
こちらもPVの域をはるかに超えちゃってますよね笑
ストーリーが曲とは別のところで展開されているような感覚です。
でも曲と合ってないというわけではない感覚が持てるのが、スパイク・ジョーンズの不思議なところなんでしょうか。
離れすぎないように、近づき過ぎもしないように、細かい仕掛けをしてある感がちらほらあってニヤリ的なPV。
R.E.M. – Electrolite
常に何かやらかしてくれますね、この御方は笑
逆にしちゃいましたよ、R.E.M.を笑
何かクスっと笑わせてくれて、かつ、何かほろっとくるところもあって、何か卑怯です笑
嫌いになれない憎いやつ的存在。
The Chemical Brothers – Elektrobank
これもヒドイ!笑(いい意味で)
女子の新体操×ケミカル、という誰も思いつかない、正反対のものを融合させてしまう脳細胞に感服です。そして正反対だと思っていたものが、後半の一音を境目にして、絶妙に混ざり合う。。
知ってましたけど・・・
天才でしょ。この人。
このバランス感覚を持った人間、他に知りません。
ケミカルは、ミシェル・ゴンドリーもおもしろいPVを撮っていますのでぜひ!
Fatboy Slim – Rockafeller Skank
こちらはいかにもスパイク・ジョーンズが得意そうな音楽とのコラボ。
もはやここまで来ると、意味不明なPVさえ涙目で見ることになります笑
曲とともに揺れ動く感情、実際のアクション、最後は海へ・・・
Fatboy Slimは、他にもPraise You、Weapon Of Choiceもスパイク・ジョーンズが手がけています。
「Praise You」はなんとスパイク・ジョーンズ本人が出演笑(真ん中で踊っているのがスパイク・ジョーンズです)まわりの反応を見るにゲリラ的に撮ったっぽいですね。途中で出てくるのは演出かそれとも。
「Weapon Of Choice」はMTVミュージック・ビデオ・アワードも取りました。
Weezer – Island In The Sun
ただ動物がかわいいだけのほっこりPVかと思いきや、そういうわけでもなく。
別に何か感動させたいと狙っている演出は何一つない気がするのですが、ぐっと来てしまうのはなぜなんでしょう。
その不可解な感動がいいです。
Arcade Fire – Afterlife
アーケード・ファイアのPVも撮っていました。
この試みがこれまたおもしろくてライブなんです。ライブなんだけどPVである、という。(ライブミュージックビデオって書いてありました。)
PVだと思って見ていて、途中でメンバーがその後ろに出てくると、あれ?ってなりますね笑
ちなみにこちらのPVはYouTube Music Awardsで披露されたとのこと。女優さんのはっちゃけ感と最後のやりきった感満載の笑顔が輝かしいです笑
Anderson .Paak – Till It’s Over
最後はアンダーソン・パークの音楽PVというかApple製品のCM用動画ではありますが、音楽がAnderson .Paak、出演がFKA Twigsということであまりにも音楽色が強め、かつ作品も素晴らしいということでご紹介。
この音と連動した動き、演出、すべてが繋がっていき、無駄なものが何もないという流れが最高です。
facebookでクレジットなどを含めたフル尺がありますのでよろしければ。
https://www.facebook.com/watch/?v=10211098391716322
さらにこの作品はメイキングも見るとよくわかるのでこちらの動画もぜひ。
Spike Jonze Welcome Home – Apple HomePod Making Of From AdWeek – Behind The Scenes
まず、スパイク自身がここまで細かくFKA Twigsに指示を出していることが驚きでした。(FKA Twigsにというよりは全スタッフに、ですね。)
自分の脳内をすべて自分で伝えて徹底的に再現しようとする姿勢がこの作品を生み出しているんだろうなあと。
FKA Twigsも音楽のイメージが強いですが、ここまで演技や動きが洗練されているとは。
身体能力も並ではないですよね。
音楽はAnderson .Paakということで、リズム感が複雑ながら心地いいですし。
ただ一番このスパイク・ジョーンズというお方のこだわりを感じるのはデジタルっぽく見えるところがすべてアナログで作られていること笑
ここまでしてやりたいかと。スケールが大きいというのとは違う意味でスケールが違いすぎる。
YouTubeのコメント欄にも「THE WHOLE SET MOVED. MADNESS.」とありますね笑
こういうところがスパイクのファンになってしまうところなんですが。
ここからはスケボー系のPVを3本続けてご紹介します。
まずはこちら。
Sonic Youth – 100%
スパイク・ジョーンズらしい、スケボーを絡めたPV。
キャリアの初期はスケボーのイメージPVを撮っていた名残が感じられます。
ファッションやPVの中で起こることひとつひとつが、このときのカルチャーを詰めこんでいる感じでとてもいいです。何十年たったときに資料的な価値も出てきたり、いろいろなところで引用される要素が詰まっている気も。
Bestie Boys – Time For Livin’
こちらはライブ動画と混ぜてあってかっこいいですね~
曲のスピードとも合っていて。
スケボーと音楽の関係はトミー・ゲレロ、レイ・バービーなど、プロスケートボーダーでありながらもアーティストである人も出てきているように、何かしら深いものがあるのでは。
フライング・ロータス主宰のBrainfeeder所属のオースティン・ペラルタ(R.I.P)のお父さんもステイシー・ペラルタというプロスケートボーダーですしね。(ステイシー・ペラルタはトミー・ゲレロと同じく、伝説のスケボー集団「ボーンズ・ブリゲード」の一員でした)
UNKLE – Heaven
MO’WAX(モワックス)のジェームス・ラヴェルのユニット、UNKLEともPVを作ってました!
スケボー大好きですね笑
危ねーだろこれ
っていうくらいの量の爆発物も使って、考えたことをおもいっきり発散してありそうなPVです。(爆破のタイミングもかなりきわどいですがCGも全く使ってないそうで。)
スローの絵がかなりきれいです。こちらはスケボーブランドのLAKAIのスケーターたちみたいです。
ここまで来ると、音楽と映像の主従関係がわからなくなってきます。
考えてみれば、確かに映像メインなら映画っぽくなるし、音楽メインならPVと呼ばれるものになるでしょう。
最後の見せ方が違うだけで、どの音楽、映像であっても最高の仕事をしているからこそ、ここまでスパイク・ジョーンズが際立つんだろうな、と思いました。
(PVを観ても、なかなか監督は誰?っていう考えにはならないですもんね。)
改めてPVをひと通り観て、やはり素晴らしいですね~
見ていても、同じようなことをやっているPVがほとんどないというのも特徴かなと。
何か常に新しいことを取り入れて実行している人なんだろうなあと思います。(スケボーはたくさんありますが笑)
なんなんでしょう、この御方は笑
センスの塊というか。誰かを常に楽しませたい、という想いが伝わってきますね。
このページで紹介したPV以外で、「これを観てないならスパイク・ジョーンズを語るな!」というものがありましたらぜひご紹介いただけたらと思います!
それではこんなところで。
スパイクのPVは、このDVDに集約されていますよ!よろしければぜひ。
何もないときにさりげなく流しておくだけで◎でしょう。音楽も◎ですし。
“【懲りすぎ!】スパイク・ジョーンズの天才的音楽PV 厳選15本” への2件の返信
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