過去にグラミー賞に数々のノミネート、そして受賞もしており、デ・ラ・ソウル、Q-Tip、クエストラブ、エリカ・バドゥ、カニエ・ウエスト、ファレル・ウイリアムス、ローリン・ヒル、ジョン・レジェンド、ディアンジェロなどなど、とても書ききれないほどのアーティストとも活動し、ヒップホップ界では言わずとも知れた存在であるラッパーのコモン。
そして同じくグラミー賞を受賞しており、ジャズやヒップホップ界隈から引っ張りだこで「グラスパー以降」と言われるほどの存在となり、説明不要ともなりつつあるピアニスト、ロバート・グラスパー。
さらにはJディラとともに制作を経験していて、現場ではハービー・ハンコック、ドナルド・バード、オスカー・ピーターソンなどとも共演したことがあり、コモンやエリカ・バドゥ、スラム・ヴィレッジ、The Roots、カニエ・ウェストなどのプロデュースまで手掛けたドラマー、カリーム・リギンス。(現在はポール・マッカートニーのライブバンドメンバーってこれマジかよすごいな。。)
そんな3人がメンバーとして揃ってしまったのが、今回ご紹介するAugust Greene(オーガスト・グリーン)です。
※最初はAmazonのストリーミング限定でしたが、Amazon USでフィジカル解禁され、いよいよ日本にも届きました
国内盤CDはこちら。
アナログはこちら。(こちらは在庫がいつまで持つか。レーベルは「August Greene Llc」となってますね。)
ここまでに書いた文章で、今回の記事を書くにあたり新しく知ったこともあるのですが、驚愕のメンバーであることにかわりはありません。(むしろさらに驚くべきことばかりだった。。)
さて早速音源を聞いていただきましょう。
Commonのfacebookで、“August Greeneという新しいグループの動画”としてアップされているのを発見して「これ最高かよ。。」となったこちらの動画。
August Greene – NPR Music Tiny Desk Concert
最初にグループの結成などについてコモンが話していて、ライブは2:20あたりから。
しょっぱなの曲「Black Kennedy」から最高。
なんというか、ドラムやラップの絶妙~~にわずかに遅れて入ってくるタメがいかにもヒップホップというか。揺れがあって。(ディアンジェロが「Voodoo」録音時にドラマーのクエストラブに「酔っ払ってるように叩いてくれ」と言ったという逸話も有名)
この心地よさを凝縮したような曲だなあと。
ゲストのSamora Pinderhughesという人のラップも最高。コモンは結構クセのある声ですが、Samora Pinderhughesはクリーンな声で(グラスパーの美しい鍵盤の音も含めて)コモンといいバランスが取れている気がします。(リズムを取る身体の揺らし方や楽しそうな姿も好き)
ちょっと調べたところ、本当はピアニストだったりしたのでびっくりです。めっちゃ軽めのラッパーっぽいストリート系の格好してますよね。
中盤からブランディーも参加していたり(11:20過ぎのソロっぽいところとかマジですごい)、その後も一曲一曲いちいち素晴らしいんですが笑、何と言ってもみんな楽しそうなのが最高です。
Tiny Deskの距離感、サイズ感だからこその空気感もあると思うのですが、こういう幸せ溢れるライブをうれしい限り。
セットリストはこちら。
SET LIST
• “Black Kennedy” (feat. Samora Pinderhughes)
• “Practice” (feat. Maimouna Youssef)
• “Optimistic” (feat. Brandy)
• “Stand Up For Something” (feat. Andra Day)
• “Let Go” (feat. Samora Pinderhughes)
NPRのTiny Desk Concertはその出演者のセレクトや、話題になってきたグループやバンドをちょうどいいタイミングで取り上げることからも音楽好きの中では評判かと思いますが、これはなかなかに最高回ではなかろうかと。
Tiny Desk ConcertのYouTube見てたら、結構旬のイケてる音楽を楽しめますのでぜひNPR MUSICのYouTubeチャンネルのチェックを笑 音楽好きなら必ずひとりくらいは知ってるアーティストがいるはず!
August Greene結成のきっかけとなったホワイトハウスでのTiny Desk Concert
August Greeneに話を戻すと、このグループの原型になったのもTiny Desk Concert。
ホワイトハウスで実施されたことから、当時もかなり話題になりました。
このときはコモン名義で出てますね。
Common At The White House – NPR Music Tiny Desk Concert
こっちもこれまた最高なわけで。
最初に紹介した動画の最初にコモンが語っていますが、このときも鍵盤はロバート・グラスパー、ドラムはカリーム・リギンスでした。
ベースはロバート・グラスパー・エクスペリメントにも参加しているデリック・ホッジ。
トランペットはジャズ界隈でよく話題に上がり、ソロ作でもグラスパーやビラル、クリス・デイヴがゲスト参加しているキーヨン・ハロルド。(7:50過ぎのソロ最強、そして続くフルートも最高)
フルートのElena Pinderhughesという方は知らなかったんですが、上述したSamora Pinderhughesの妹だそう。ここからお兄さんに繋がったのかな。まあ、この編成も素晴らしすぎだわな。。。
そしてさらにこのメンバーにビラルが乗っかっちゃったら、そりゃあどえらいことになりますわねー。。。(4:50過ぎで登場)
さらっとクールな佇まいのまま、この声量とこの突き抜けるボーカルが入ってくるとたまりませんね。。。
音源で感じるよりも遥かにすごい存在感。これは聞いて欲しい。
みんなおしゃれだしなあ。それぞれ独自な佇まいもあって。こういうのも大事な要素だと思うんだよなあ。
音楽もこのクオリティで、細部までセンスが感じられるところが素晴らしい。
時期的には2016年11月に発売したコモンのアルバム「Black America Again」を発売する前の月ですね。
「Black America Again」は年間ベストの記事でも紹介していたり
セットリストはこちら。
Set List
“I Used To Love H.E.R.”
“Letter To The Free”
“The Day The Women Took Over”
“Little Chicago Boy”
後半の3曲「Letter To The Free」「The Day The Women Took Over」「Little Chicago Boy」は「Black America Again」収録。
「I Used To Love H.E.R.」はコモンのアルバム「Resurrection」収録。
「Black America Again」もビラル、ジョン・レジェンド、スティーヴィー・ワンダー、ロバート・グラスパーが参加してたんだから、まあとてつもなく豪華なアルバムだったわけですよね。
August Greeneを音源で聞く
August Greeneの音源も紹介していきましょう。
YouTubeに公式で曲がアップされています。
ブランディーがゲスト参加している「OPTIMISTIC」。
August Greene featuring Brandy – OPTIMISTIC
Tiny Deskのライブでも存在感がありましたが、ブランディーのクリーンな歌声は健在ですね。
4:20過ぎはPV用のアレンジでしょうか。
これもめちゃくちゃいい。。。(結構たっぷりボリュームです)
そして、サンクラで「Black Kennedy」。
August Greene – Black Kennedy
※Amazon Musicでも上記2曲が聞けます
August Greene – August Greene(Full Album)
さらにNPRでアルバムまるごと公開されました!以下のリンクからどうぞ。
はっきり言ってクソヤバイです。
※音源発売後に公開終了してしまったので現在は記事のみです
⇒Stream Common’s New Supergroup Album, ‘August Greene’ : NPR ※NPRのサイトにリンクします
1曲目のオープニングからの、厳かな入り、そしてグラスパーの鍵盤が響くタイミングまでもが最高なんですが、いかにも今のジャズとヒップホップ!という感じの曲もあれば、「No Apologies」のような変態的なリズムのノリも最高に好きだなあ。。
アルバムを通じて、
うわあドラムめちゃくちゃズレてんのにそれが最高。
という感覚を掴めること間違いなし!
まあ聞いてください!
個人的に今年のベスト決定ですねこれは。そういうレベルです、ハイ。
衝撃のAmazon Music限定リリース ※現在、Spotify、iTunesなどでも配信中、2019年になってようやく日本解禁!
ここまで大絶賛をしてきてアレなのですが、リリースがまさかのAmazon Music限定なんですよね笑
まさかの。
※その後、Spotify、iTunesでも配信開始されました!
初めてAmazon Musicで楽曲を購入するかもしれない。すでにプライム会員ではありますが、正直、緊張します。
ジャケットも最高だし(記事の最初の画像)、絶対レコードで買うのに。
※追記:プライム会員は購入しなくても聞けました!めちゃお得感あります。でもレコード出たら買いますね笑
※さらに追記。公式アカウントではフィジカルでのリリースも発表しています!日本にも届くかな?
CD、アナログそれぞれあるようです。このジャケットならアナログだなあ。
そしていよいよ日本にも到着!
冒頭にもリンクしましたが、国内盤CDはこちら。
アナログはこちら。
ということで、ジャズ、ヒップホップ界のオールスターをメンバーそしてゲストに揃えた、当然過ぎるように最高である意味面白くなかったかもしれないほどのAugust Greeneのご紹介でした。
コモンやその周辺が作ってきたヒップホップシーンがあって、それを受けてのグラスパー世代との今のこの繋がり、広がりでしょうから、先代の活動はやはりありがたいですね。
こういうグループが出てきて、自由に記事が書けるというのは本当にうれしいですし、個人ブログの強みですね笑
今回Amazon Music限定リリースだからか、話題性の高さの割にメディアでの記事数が明らかに少ないように感じました。(amassとか情報を拾いまくっているサイトでは動きがこまめにキャッチされていましたが。)やはりセールスと関係がある部分で動くのがメディアなので、そうなると難しいのかなあと。こんなに素晴らしいのになあ。
本当はメディアでオーガスト・グリーンの記事を書きたい音楽ライターさんも山ほどいるのではないかなと思ったり。
ここから何とか次の活動にも繋がって、オーガスト・グリーンがもっと多くの方に届くようなメディアでも取り上げて欲しいものです。(今回の記事もまだアップされていないだけなことを祈る)
※August Greeneサイドの話でも、当初Amazon Music限定リリースだったっていう戦略の狙いは何なんだろうなあと思ったり
こんなグループ、当然来日を希望せざるを得ないのですが、こんな豪華なメンバーが揃って来日する画が想像できない、というのが正直なところかも。
と言いつつもやはり期待したいので笑、実現したら大歓喜であります!!!