「レコードって過去のものでしょ?」
「レコードよりCDの方が新しいから音もいいんだよね?」
的な話をよく耳にします。
実際、自分も最近までそう思っていたのですが、そうではない!
実はレコードの方が音がいいんです!
ということで調べました。
※正確には「理論的にはレコードの方が音がいいはず」という言い方が正しいかもしれません。
まずはこちらをご覧ください。
所さんの目がテン! 第1193回 レコードの科学
※動画が途中から再生されない場合、8:02あたりからご覧ください。
※動画が消えてしまいましたので、番組のHPで内容をご確認ください!
http://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/13/09/0908.html
↑ページの中の③のところ。
所さんの目がテン!でレコードが特集された回のものです。
番組の中で、生演奏、レコード、CDの音を比較する実験を実施。
それぞれの音源に、どの範囲までの周波数が入っているかを調べています。
その結果、
・生演奏:40,000Hz(ヘルツ)まで
・CD :22,000Hzまで ※人間に聞こえない範囲の周波数をカットしているため
が収録されていて、
レコードには、人間が聞こえないはずの、22,000Hz以上の周波数が録音されている
とのこと。
「レコードの音はあたたかみがある」
「レコードの方がいい音に聞こえる」
という感想は正しい?ものなのかもしれません。
実際、人間の耳がどこまで聞こえているか、っていうところによるのですが。
人間の聴覚はどこまで聞こえるか?
Wikipediaの「聴覚」のページを参照すると、
ヒトでは通常、下は20Hz程度から、上は(個人差があるが)15,000Hzないし20,000Hz程度までの鼓膜振動を音として感じることができ、この周波数帯域を可聴域という。
とのこと。
どのレベルの周波数まで入っているか、という話の前に、この「個人差」次第っていうところはありそうです笑
聞こえる人には聞こえるし、聞こえない人には聞こえない、という。
最終的にはその人次第とは言え、再生環境、録音環境による違いもあります。
再生環境による違い
レコードのほうが多くの情報が残っているとはいえ、音源を再生するスピーカーによっても違うのでは?というお話。(いわゆるオーディオマニア的な領域に入れば、機器をつなぐケーブル一本でウン十万とする世界ですからね。)
一説によると、
・スピーカー
・カートリッジ
・アンプ
・DAC (デジタル-アナログ変換回路)
と、上から順に音への影響が大きいと言われているようです。
参照:アナログカートリッジによる音の違いはどの程度?
※影響の大きさとしては、スピーカーを100とすると、カートリッジが10~20程度、アンプが0.1程度、DACがそれ以下、ということらしいです。
また、レコードは盤面に針を当てるため、盤面の劣化状況、という点でも変化があります。
中古レコードでも、その保存状態がどうこう、という話もよくありますし。
よって、レコードは多くの情報が残っているとしても、再生するまでにいろいろな変数がかかってきて、結局本来持っている情報を全て出しきれないかもね、ということでしょう。
その分、環境を変えることでいろいろな音を楽しめる、ということでもあるのかなと思います。
(実際、昔はレコードごとにカートリッジを変えて、音に合ったカートリッジでレコードの再生をしていたようです。)
再生環境によって違うのと同様に、録音環境にも当然左右されます。
録音環境による違い
CD、レコードを制作する中でのマスタリングの作業の質によっても、その音が変わってくるそうです。
↓特にこちらの記事のCDの音の特性、レッチリのアルバムの音についての記載が興味深かったです。
http://blog.livedoor.jp/jazzaudiofan/archives/50606813.html
一部を抜粋すると、
特にポピュラー音楽のCD制作現場では「かけたときに音が大きい」ことが至上命題となっていて、そのためにダイナミック・レンジが犠牲になっているという実例である。この「音量競争」のおかげで、マスタリング段階でデジタル・コンプレッションをかけてダイナミック・レンジを圧縮した上で、全体的な音量を引き上げるという「操作」が行われるようになった。最初はそのコンプレッションも2dBと控えめだったのが、4dB、6dBとだんだん量が増えてきて、最近は8dBもの圧縮が珍しくないという。
また、CDの最大録音音量レベルである0dBFを超えると、音の波形は上が押しつぶされて、方形波、つまりディストーションをかけたエレキギターのような歪んだ音になる。マスタリング・エンジニアは本来であれば、0dBFを超えるようなレベルを採用してはならないのだが、これも「音量競争」のせいで、最近は0dBFを超えまくるようなCDが増えているという。
こういう話はレコーディングエンジニアがどこまで音質にこだわるか、というところにもよるのでしょうね。
で、最近はレコーディングにそれほど予算をかけられないので、人間に聞こえにくいであろう部分はカットされていく(その部分への手間も省かれる)、ということになるのでしょう。
結論
最終的に耳に入ってくる音は再生環境によるとしても、レコードはCDよりも広い周波数の音が収録されている可能性が高い、ということは間違いなさそうです。
音楽が好きであれば、レコードを買って、その音をいろいろな再生環境で楽しむ、というのも一興ですね。
今年のレコード・ストア・デイも近いですし、アジカンなどを始め、国内のバンドもレコード回帰の動きを始めています。
その筋の話では、CDは音源のフォーマットとして存在しなくなるのではないか、というのがウワサになっているほどです。
海外ではもう再燃しつつあるレコード熱、一歩先取って聴いてみませんか??
最近は、
・アンダー1万円 ※なんと7,000円台!
・USB録音可能(iTunesへの登録可能)
・内蔵スピーカー付(スピーカーを別で買う必要なし!)
・デザインもいい
というこんなレコードプレーヤーも発売されていますよ!
⇒【コスパ最強!】ION AUDIO Archive LP(レコードプレーヤー)が超おすすめ
個人的な余談
この記事で書いた「CDよりレコードの方が音質がいい」という話は、2009年に名古屋のレコードショップStiffslackで店長さんと立ち話をしているときに知りました。
その話を聞いた瞬間は、
「どうせレコードを売るための売り文句でしょ」
とか思ってましたが、
実際にその場でレコードを試聴させてもらうと、、、
なんかいい音な気がしたんですよね笑
おそらく、stiffslackの音響がよかったんだと思いますが。
それが個人的な”レコード原体験”的なものになるかと。
実際、音にこだわる海外のバンド(最近は国内のバンド)も、音源をレコードでリリースし、パソコンにも取り込めるように、MP3のダウンロードクーポンをつける、という形にするのが流行り始めているようです。
音源のレコード化は、特に音にこだわるレーベルには顕著な傾向らしいので、その観点で、音質にこだわる良質なレーベルかどうかを見分けられる、という段階かもしれませんね。
甲本ヒロトがレコードとCDの音質の違いについて語っているYouTube動画があって、その言葉がこういう議論を吹っ飛ばすくらい、的を得た発言だなあと思っていたのですが、YouTube動画が削除されてしまっていて残念です。。。
もし、ここにアップされています、という情報がありましたらぜひコメント欄からご一報を。
その時の動画とは違うような気がするんですが、ヒロトとマーシーが語るレコードの魅力、こちらの動画をぜひ。
インタビュアーの女性もアナログ初心者なのですが、アナログ初心者にも2人はやさしい!
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利が『レコードの魅力』について語る
2:25過ぎのヒロトの言葉がとてもいいんです!
「ぼくは(アナログ盤に)感動するんです」
「細かくアナログ盤の方がこういう風に音が違うんだよとかはわからない、よく」
「だけど体が反応して、気がついたら泣いてるんだ、音楽聞きながら」
「おんなじものをCDで聞いても涙が出ないときがあるんです」
「その反応をぼくは信じていて、理屈が分からないけどレコードが好きなんです」
「理屈とか関係なくね、体験してみればきっと楽しめると思うよ」
と。
そして、最後にレコードを愛してらっしゃるんですね、との問いかけに
「よくわかんないね、好きなんですね」
と。
最高。。
あと、最後の方で語られてますが、クロマニョンズのCDってレコードをかけて、それを録音してたんですね。。これは知らなかった。。(普通はマスターテープから作る)
ということで、レコードの音。ぜひ体感してみましょう。
「え!?CDよりレコードの方が音がいいってマジ!?」
ってところから調べて書いた記事です。
【音にこだわるなら知っておきたい!】レコードとCDの音質の違いhttps://t.co/Hi1qLWUelc pic.twitter.com/pkTtXWlnMe
— 1/f揺らぎ (@1overf_noise) 2017年4月18日