RadioheadのIn Rainbows無料DLに見る、音楽業界とビジネスモデル

Radioheadがアルバム「In Rainbows」で試みたWEBサイトでの楽曲無料ダウンロード。

ユーザーが価格を決定できるという今までに考えられないCDの購入を提案したのだが、
今後の音楽業界を変えるひとつのマイルストーンになりそう。


以前の記事にも書いたように、Radioheadはアルバム「In Rainbows」で楽曲のDL価格を
ユーザーが決定できるというシステムを導入した。

それに関する関連記事を読んでいて、一番感心したのが、
「無料DLはプロモーション費用だ」ということ。

従来、プロモーションというのは、コストを使って行うものだが、
ユーザーが価格決定するDL形式でのプロモーションを行う場合、
「コストがかかる」のではなく、「売上が上がる」という全く逆のプロモーションになるのだ。

もちろん、無料DLが可能になることによってCD自体の売り上げも下がるのでは?
という疑問は出てくるが、そこは無料DLによって広げたユーザー層への
ライブチケットの販売や、グッズ販売などによってまかなわれるようだ。

ばらまき方にも工夫があり、Radioheadと同様に無料DLを試みたあるアーティストは、
無料DLと5ドルDLの2パターンを作り、5ドルのほうの音質を高くしていたらしい。

無料DLユーザー⇒「潜在層の開拓のためコストはそれほどかけたくない」

という意図があるからだろうと思う。
ただ、一方で無料でDLしたことによるユーザーへの認知効果は少なくないと考えると、
費用対効果は悪くないのでは?とも考えられる。

Radioheadの場合も、無料DLではCDより音質が若干悪いものを使用していた模様。
高音質を求めるユーザーは、DLした楽曲では物足りず、もう一度CDを買うということになる。

これはTVで言うと、
小説が映画化、ドラマ化、DVD化、有料DLと複数のビジネスチャンスがある一方で、
音楽はCDの購入という一つのビジネスチャンスしかなかったことをぶち壊すことになる。

ということで、既存のモデルを大きく変える無料DL、
今後の音楽業界への影響は小さくないだろうかと。

(ただ、これはメジャーアーティストだからこそ(インパクトが大きいからこそ)
成立するものであって、マイナーなアーティストにとってはなかなかにつらい
ビジネスになるような気がしている。。)

アーティストのPVなどはもっと活用の機会があってもいいものだと昔から思っているので、
このあたりをうまく活用して新しいモデルが作れないものか?とも思う。

MySpaceで人気が爆発し、メジャーデビューへとつながるパターンも出て来ている中で、
何らかの形での無料楽曲提供というパターンもこれからどんどん増えていきそうだ。

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